紛争の内容
ご依頼を受けた際、依頼者は他の相続人から、遺産を分けない旨の主張を受けていました。
法律上はそのような主張は認められないのですが、他の相続人が合意しなければ遺産分割協議は成立しないため、やむなく弁護士にご相談にいらっしゃいました。
元々上記のような経緯のため、協議の成立が見込めないことから初めから調停を申し立てることとしました。
交渉・調停・訴訟などの経過
調停申し立て後は、調停委員からの説明もあり、2回目の調停期日において法定相続分で分割することが成立しました。
ただし、不動産だけは共有になってしまったので、共有で売却をすることが必要になりました。
そこで、金融資産の解約・分配が終わった段階で、当事務所が紹介した不動産業者に売却を依頼することになりました。
本事例の結末
不動産は他の相続人との共有でしたので、他の相続人も同じ不動産業者に媒介を依頼することが必要になりましたら、当事務所が紹介した不動産業者の説明が丁寧だったためか、スムーズに同社に依頼することができ、後日の売却も成功しました。
本事例に学ぶこと
一見、不仲な相続人間であっても、利害が一致する場合には、共同歩調をとることができます。
対立当事者であっても弁護士は礼節をもって丁寧に接し、また、紹介した不動産業者にも丁寧に対応するように依頼することで、少なくとも、遺産分割はスムーズに終えることができました。
改めて、当然のことではありますが、相手方であっても人として丁寧に接することが、かえって依頼者に利益をもたらすことを感じた事案でした。
弁護士 野田泰彦