これまで、寄与分の主張は相続人にしか認められていませんでした。
そのため、相続人の妻が被相続人である義父の介護にどんなに尽くしても、遺産分割の場面で相続人の妻固有の権利として寄与分を主張したり、あるいは財産の分配を請求したりすることはできませんでした。
そこで、こうした不公平を是正するため、相続人以外の親族(=6親等内の血族、配偶者、及び3親等内の姻族のうち、相続人でない者)で、療養看護その他の労務を無償で提供したことにより、被相続人の財産の維持または増加に特別の寄与をした者は、特別寄与者として、相続人に対し、寄与に応じた金銭(=特別寄与料)の支払いを求めることができるようになりました。
特別寄与料の支払いについて当事者間の協議が調わない場合には、特別寄与料の額を定めるよう家庭裁判所に請求することができますが、この請求は、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6か月を経過する前、または相続開始から1年を経過する前に行わなければなりません。