紛争の内容
農地をお持ちの被相続人が亡くなり、兄弟間で相続がまとまらないケースでした。
ご兄弟の大半は、農業をしているご相談者が農地を相続することに賛成で、すでに代償金の支払いも終えて相続分の譲渡をしてくれていましたが、一部の兄弟が反対していたため、それ以上手続きが進まないという事案でした。
交渉・調停・訴訟などの経過
すでに、当事者間で相当交渉が進行していたので、依頼を受けてすぐに、遺産分割調停を申し立てました。
こちらの提案は、農地を依頼者が取得する代わりに代償金を支払うというもので、代償金の算定も合理的でしたが、相手方は、当該農地について、行政による開発計画があるとして、相当高額の代償金でないと合意しないと主張してきました。
本事例の結末
行政による開発計画については、当事務所の弁護士も役所に確認し、そのような開発計画がないことを調停で伝え、相手方も、代償金については、合理的な金額まで譲歩しました。
その結果、依頼者においても譲歩することになり、少々高額の代償金を支払うことで調停が成立しました。
本事例に学ぶこと
遺産分割は、感情的なしこりがある場合もあれば、財産評価で争いがある場合もあります。
本件では、調停手続で話し合うことで感情的なしこりを取り除き、財産評価についても、合理的な金額で納得してもらうことが出来ました。
このように、遺産分割の場合には、調停の方が早く進む可能性がありますので、交渉とするか調停にするかの見切りを上手くつけることが必要だと考えております。