紛争の内容
被相続人A氏には、妻B、子Cがあったが、A氏は生前に「不動産の全部と預金の2分の1を妻Bに、残りの預金2分の1を子Cに相続させる」旨の遺言公正証書を残していた。
また、その遺言公正証書において、遺言執行者として当事務所が指定されていた。
この度A氏が亡くなったため、指定された遺言執行者として、遺言内容を実現すべく執行に当たることになった。

交渉・調停・訴訟などの経過
担当弁護士が、遺言者執行者として各預金の解約・払い戻しを受けると同時に、司法書士と連携して、不動産(マンション)の登記名義をA氏から妻Bに移転する手続きをした。
子Cは海外に住んでおり、担当弁護士から遺言書の写しを送付して意見を求めたところ、「自分は何もいらない。全て母Bにあげて欲しい」とのことであった。そこで、Cからその旨を記載した念書を差し入れてもらい、払い戻しを受けた預金については、担当弁護士から妻Bに対しその全額を引き渡した。

本事例の結末
担当弁護士が遺言執行者として遺言を執行し、相続が完了した。

本事例に学ぶこと
本件は、以前に当事務所がA氏から遺言公正証書作成の依頼を受けていた事案であり、その際、遺言執行者として当事務所が指定されていた事案であった。併せて遺言書の保管も当事務所に依頼されていたため、妻BからA氏の訃報の連絡を受けた弁護士が、いち早く手続きに取り掛かることができた。