紛争の内容
ご依頼者の方は、共同相続人の方から遺産の相続の割合を巡って、感情的な主張などを受けており、悩まれていたため、当事務所にご相談におこしいただきました。

裁判所を用いずに交渉を行うことでの解決も考えられましたが、感情的な主張がなされていたことなどから、裁判所を用いずに話し合いを行うことは困難であると判断し、遺産分割調停を申し立てることとしました。

交渉・調停・訴訟等の経過
相手方は、今回の相続の前に被相続人の方から多額の金銭を受領しており、これは特別受益にあたると構成できると判断しました。

特別受益に当たる以上、相続をする財産からその分は差し引かれますから、それを前提に法定相続分に応じた計算をすると、相手方が相続する財産はありませんでした。

そこで、そうした主張をまとめて裁判所に提出し、調停条項をまとめて解決することを図りました。

裁判所で、こうした主張を行いましたが、相手方は期日に一向に出頭しませんでした。

そのため、審判手続きに移行しました。

審判への意向後もこちらの主張は法的に理屈がとおるものであったため、裁判所としては、これに沿った判断をすることになりましたが、相手方が出頭しない以上、相手方にその結果送達することができず、送達の面で問題が生じました。

送達がなされない以上、審判を完結させることができませんので、相手方の居所を調査するべく尽力しました。

本事例の結末
相手方の居所を調査すべく、住民票上の住所地を訪れたり、他にも様々な方法を尽くして相手方の居所を調査した報告書を裁判所に提出した結果、送達が認められました。

そのため、結論としてこちらが主張していた内容がそのまま裁判所の判断として相手方へ送達され、これが確定しました。

本事例に学ぶこと
相続関係では、法的な理屈もそうですが、それ以外の感情的な主張があったりと当事者間だけではどうしても解決ができないことがあります。

また、いかに裁判手続を利用したとしても、相手方が出頭しないなど裁判手続がうまく進まないこともあります。

こうした事態になってしまった場合、弁護士を介入させてできることを一つ一つ行うしかありません。

困難な事案でも、できることを行っていけば、解決できる場合もあります。

相続関係でお困りの場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。

弁護士 野田 泰彦
弁護士 遠藤 吏恭