紛争の内容
・両親を同じくする弟が一人、片親を同じくする兄弟姉妹、その代襲相続人が複数ある方。
・実弟の相続で、疎遠な兄弟姉妹からの権利主張に辟易したことから、その干渉を避けたいと考え、遺留分ないことを踏まえ、公正証書遺言作成となった。
交渉・調停・訴訟などの経過
・遺言者は、認知症の発症の恐れ、介護の不安におびえていた。財産管理契約、任意後見契約の締結も考えたが、親しい知人にすべてをゆだねることとし、遺言のみの作成となった。
・墓仕舞い、葬儀の委託とともに、知人への包括遺贈の公正証書遺言とし、原案を作成した。
・コロナ禍における制約の中で、公証役場予約を得てめでたく作成。
本事例の結末
遺言執行者を包括受遺者とし、すべてをゆだねる公正証書遺言を作成した。
本事例に学ぶこと
独身高齢者の介護、墓仕舞いの心配は切実である。
本依頼者には頼りになる知人があり、すべてをゆだねられることは喜ばしいことであった。
なお、墓仕舞いは、生前にできれば行いたいとのことであった。
弁護士 榎本 誉