紛争の内容
ご依頼者様のお母様がお亡くなりになり、相続が発生しました。相続人は、ご依頼者様と、ご依頼者様のお姉様(Aさんとします。)の2人でした。
生前のお母様は静岡の実家で暮らしており、Aさんが同居していました。
ご依頼者様は、Aさんとの折り合いが悪く、結婚して独立してからはほとんど実家に帰ることができませんでした。
そのため遺産の詳細は分かりませんでしたが、お母様やAさんの経済状況から、預貯金等の資産はほとんどないものと考えられました。
ご依頼者様は、Aさんと遺産分割協議をすることは難しいと考え、遺産を取得せずに相続放棄をすることを決心し、弊所にご依頼されました。
交渉・調停・訴訟などの経過
弁護士が上記のようなご事情を聞き取り、お母様・お姉様の戸籍等の必要書類を収集し、相続放棄申述受理申立を行いました。
本事例の結末
本件では、ご依頼から3週間程度で、無事に相続放棄の申述が受理されました。
本事例に学ぶこと
折り合いが悪い相続人間では、遺産分割協議が難航することが多くあります。合意に至るまでに長い年月がかかったり、裁判所で調停や審判を行う必要があったりして、負担が大きいことも良くあることです。
そのような状況が予想される場合には、遺産を受け取ることはできなくなりますが、相続放棄をすることもひとつの案となります。相続放棄をした場合は、相続人ではなくなりますから、遺産分割協議に参加しなくても良いということになります。
相続放棄には、原則「被相続人が亡くなってから3か月間」という時間制限がありますから、相続放棄をお考えの際はなるべく早く弁護士までご相談されることをおすすめいたします。
弁護士 田中智美 木村綾菜